脳科学からみた値段の話(前編)

マーケティング

あなたが事業をやっていれば
商品やサービスの価格を決めるのに
悩んだ経験があると思います。

今回は、
脳に対する価格の影響と
値決めの工夫について
見ていきたいと思います。

1.セットで販売する

人は、何かを買う時に、
脳の痛みの中枢が
反応するといいます。

その商品に対して
価格が適正ではないと
痛みを感じます。

セット販売は、
複数のアイテムが
含まれているため
価格が適正かどうかの判断が
難しくなるので
その分、痛みが少なくなります。

2.定額料金を設定する

研究によれば、1回1回の消費で
値段が上がっていく様子を
消費者が目にする販売方法が
最大の痛みを引き起すそうです。

前払い制や定額制が支持されるのは、
激しい痛みが和らぐからです。

「すべて込み」のサービス
(パケ放題とか、Netflix、サブスクなど)が
あらゆるところで使われているのは
このためです。

3.価格をハッキリ見せる

広告には、お金をイメージさせる
言葉や画像が使われます。

儲けたい顧客に金融商品などを
売り込む際には、
価格をハッキリ見せることが有用です。

逆に、ダイヤモンドなどのギフト商品は
価格をハッキリ見せてはいけません。
ハッキリ見せては、
プレゼントする人の痛みを
引き起してしまいます(笑)
だから、
見せずに感情に訴えているわけです。

4.お値打ち感を出す

我々は、さまざまな価格に対し、
錨(いかり。アンカー)となる価格を
記憶しています。

例えば、ドトールのような系列喫茶店では
コーヒー1杯200円程度であり、
これを基準とすれば、スタバは少し高めとか、
マックは安めと判断しています。

ここで言えば、
標準的なコーヒー価格を
「アンカー価格」といい、
そこに基準がおかれることを
「アンカリング効果」と言います。

この仕組みを理解していれば、
お値打ち感を出すことが可能です。

また、顧客の側に明確なアンカー価格が
決まっていない場合は、
高めのアンカー価格を設定できれば、
それよりも割安の価格の提案ができれば、
それは魅力的ものになるでしょう。

よく通販で
「同じ品質のものを買うと
通常○○円はします!」
なんていうのは、
割安感を出すために、
最初にアンカリングをしているのです。

5.高級品は値下げしてはいけない

体調が悪くてコンビニで
ユンケルを買ったことが
ある人は多いでしょう。

たくさん種類がありますが、
私はいつも中くらいを買います。
一番安いのは効き目が
なさそうなので(笑)
でも多分効果には
差がないでしょう。

我々には
「高価なモノは、よいものだ」
という思い込みがあります。

高級品は、
購入時に痛みを伴いますが、
購入後は、満足度を上げます。

顧客層にふさわしい価格設定をし、
値引きは実際には顧客経験の質を
低下させかねないことに
注意しなければいけません。

いかがでしたでしょうか。
価格を付ける際の
参考になればと思います。
次回は後半を書きますので
お楽しみに。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

(参考図書)
『脳科学マーケティング100の
心理技術』
ロジャー・ドゥーリ―著

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