将棋とAI

ツール

将棋の最年少プロである
藤井聡太七段の勢いが凄いですね。
7月13日、14日に札幌で行われる王位戦第2局や
16日に行われる棋聖戦第4局など
どんな戦いになるか楽しみです。

なんでも、
棋聖戦第1局に藤井七段が指した
58手目「3一銀」は、
プロ棋士たちの間では
あまり挙がっていなかった
意外な手だったそうです。

ところが、
AIの将棋ソフトの作者によれば、
「将棋ソフトに4億手読ませた段階では
5番手にも挙がらなかったが、
6億手読ませると、
突如最善手として現れる手だった」
とのこと。

4億手?5億手??
頭が痛くなりますが(笑)
こんなところが、
藤井七段の天才さを表しているのでしょう。

こんな話になると
「AIと戦えるのは天才のみであって、
凡人は太刀打ちできなくなる」
というトーンで、
「AIで消滅する仕事」なんて
記事がよく書かれています。

「AIがもっと身近になったときに、
我々人間はどうすればよいのか」
というテーマは私も興味があります。

もう一人の天才棋士羽生善治九段が、
AIと将棋についてインタビューに答えていて
面白かったのでシェアします。

<ダイヤモンドオンラインの記事>
https://diamond.jp/articles/-/239270

気になった一部を抜粋すると、
(「藤井七段のように、若い頃から
AIを研究に取り入れている若手が
台頭する中で、人材育成面での
AI普及のデメリットは?」
と聞かれた羽生九段の答え)

「藤井七段については、
天才的な存在なので、
おそらく将棋ソフトがなくても、
いまのポジションに就いていたでしょう。

ただ、子どもたち全体についていえば、
失うものも出てくるのではないか
とも思います。
それはおそらく創造性です。

人間的な創造性とは、
現在では一般的な価値や評価が
低いとされていることでも、
そこに何らかの可能性を見出して
分析や研究をし続けられることでは
ないでしょうか。

AIにすべてを判断させて、
その評価をもとに研究を進めたり、
作戦を立てたりしても、
そこで導き出されるものは
その局面だけの最良の策であり、
その後に悪い展開を招くことも
十分に起こりえます。

それに、先ほどもお話しした通り、
局面を限定すると、
AIは過小な評価を
下すことがよくあります。
その評価に無条件に従っていると、
その先にある可能性を早々に
捨ててしまうことになります。

もしかしたら、
その20手先では
プラスに働くかもしれない。
その可能性を信じて
続けられるかどうかが、
人間の創造性であり、
個性にもなるのだと思います。

研究者の方にお聞きしたところ、
AIにランダムな要素を学習させても、
「人間的」「独創的」な手は
指せないそうです。」

インタビュー記事からは、
羽生九段が、将棋以外についても
知識が深いことを感じました。
彼の指す将棋が味のあるのは
そんな理由なのかもしれません。

人間は、創造性があるから、
文化や芸術、学問などの素晴らしい偉業が
残されてきたのですね。
そしてこれをその先も続けていくには、
我々自身が創造性を磨き続けることが
大切なのだなと思いました。

AIが今後どのような進化をするかは
わかりませんが、
いずれにしても、
「人間として生きることの意味」
が問われることは間違いないでしょう。

と、思いながら将棋を観戦するのも
面白いかもしれませんね。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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