無料の力

マインド

経済学を学んだことがある方なら、
「人間は合理理的な行動をする」ことが
前提となっているのを
ご存じだと思います。

しかし、実際はどうでしょうか?
合理的ではない行動を
とってしまうことが
多々ありますよね。

一般的な経済学では、
人間の心理を扱っていないので、
そういうことが起きてしまいます。
それを修正した学問分野が
「行動経済学」です。

行動経済学は、心理学と経済学の
両面の面を扱っており、
その成果は身近で面白いものです。

この分野の第一人者である
ダン・アニエリーが書いた
『予想どおりに不合理』は、
2008年のアメリカでベストセラーになり
行動経済学を有名にしました。

今回は、その中から
「無料の力」
について取り上げたいと思います。

よく通販で、
「お買い上げの方には、
もう1個無料でお付けします!」
といっているアレです。

著者は、
無料の力がどの程度あるのか
実験をしています。

高級チョコ(15セント)か
安いチョコ(1セント)を販売します。
どちらからしか選べません。
高級チョコは、時価30セントなので
割引度合いが高いです。

結果、お客さんは、
それぞれ値段と品質を考慮して、
73%が高級チョコを選んだのに対し、
27%が安いチョコを選びました。

次に
両方を1セントずつ値下げして
高級チョコを14セント
安いチョコを無料で
販売しました。

それぞれ、同額を安くしただけです。
どういう結果になったと思いますか?

なんと
31%が高級チョコを選び、
69%が安いチョコを選びました。

1セントだけ下げただけなのに、
安いチョコが無料!になっただけで
これだけの違いがでるということです。
好きとか嫌いとか、割安感とか、
そういったことを超えて
無料に力があるということを
示していますね。

著者は、
これほど無料に魅力があるのかは、
人間が失うことを本質的に恐れるから
ではないかと分析しています。
確かに、無料のものを選べば、
出費という痛みはないし、
選択を間違えたという
後悔もしませんね。

昔、アマゾンが一定額以上の
注文について配送料を無料にし、
各国で売上が伸びていたのに、
フランスでは伸びないことがありました。

その理由を調べると、
実際には無料ではなく、
1フラン(20円)に設定していました。

たった20円では、
無料と違わないように思えますが、
0円の無料配送を加えたところ
売上が劇的に伸びたそうです。
0と1では次元が違うということですね。

いかがでしたか?

巷の販売活動で、
無料!が行われているのは、
この力を利用しているからです。

あなたの販売活動にも、
この力をうまく取り入れてみてくださいね。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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