「マネーの虎」に見る商売の本質

お金・財務

最近、
知人から新しいビジネスを始めるので
事業計画を作ってくれないか
という相談がありました。

内容は詳しくは書けないですが、
そのビジネスをするために
設備投資に約5億円かかるとのこと。

そして、そのお金は、
銀行から借り入れるのでなく、
投資家から集めるとのこと。
(実は、多数から出資を募る場合は、
金融証券取引法という法律が
あるので簡単ではありません)

全体像を聞いたあとに、
私は聞きました。
「ところで、○○さんは、
いくらぐらい自分でお金を出すの?」

知人は言いました。
「自己資金はないので、
全額を投資家から出してもらう」と。

私はその答えを聞いて
呆然としてしまいました。
そして、「マネーの虎」という
20年前のテレビ番組を
思い出しました。

40代以降の方ならご存じでしょうか。
私は当時夢中になってみていました。
一般人起業家が事業計画を
プレゼンテーションし、
投資家たる審査員が出資の可否を
決定するという番組でした。

審査員は、当時活躍していた
個性的な経営者の面々で、
その人間模様も見ものでした。

彼らは、
起業したいという人の話を聞き、
そのビジネスがうまくいくと思ったら、
札束をドン!!と机に置くのです。

しかし、そう簡単にはいきません。
ダメだと思ったら罵倒しますし、
投資する側も、される側も
真剣勝負です。
(演出ももちろんあるでしょうが。。。)

さて、あなたがもし誰かに
出資をしようと思ったら何を見ますか?

ビジネスモデル?

過去の経歴?

持っている資産?

どれも見るとは思いますが、
私は、審査員が最後にみているものは、
起業家の
「人間性」と
「覚悟」ではないかと思いました。

「人間性」とは、
最後危機的な状況になったときに
逃げない人か?

「覚悟」とは、
それを本気で成し遂げる決意があるか?

これに
しっかりとした
「動機」や「ビジョン」が
あれば完璧です。

もちろん、
不動産などを担保にして
お金を貸すということであれば、
担保は回収できるかもしれません。

しかし、
このような起業家への出資というのは、
何も担保がないのが通常です。
そのため、最後に頼るのは
社長そのものしかありません。

だからこそ、
出資者はその本質を徹底的に
見抜こうとするのです。

さきの知人が欠けているものは、
「覚悟」です。
自腹を切る覚悟が無い人に
誰も出資などしてくれません。

ただ、儲かりそうだからとか、
誰かがやっているからとか、
そんな動機で商売をしてはいけません。
優れた経営者や
出資者は一目でそれを見抜きます。

その意味で、
商売というのは奥が深いです。
マネーの虎が面白かったのは、
その本質が見え隠れしたからなのだな
と今になって思うのでした。

あなたはどう感じられましたか?

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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