脳科学からみた値段の話(その3)

マーケティング

3回シリーズの最終回として
脳科学から見た値段の話を
お届けしたいと思います。

8.二番手商品(竹!)を売り込む
スタンフォード大学が、
消費者グループに、購入するカメラを
選ばせる実験を行いました。

第一グループ
・フル装備のカメラ
・そうでないカメラ

第二グループ
・高性能カメラ
・フル装備のカメラ
・そうでないカメラ

第一グループと第二グループで
結果はどう変わったでしょうか?

第一グループでは、
2つのモデルの選択は
約半分に分かれました。

第二グループでは、
最も安いモデルはほとんど売れず、
2番目のフル装備のカメラの売れ行きが
良かったそうです。

つまり、
高性能カメラを追加したことで、
2番目のカメラが合理的な妥協案と
感じる人が多いということです。

寿司屋の定食で
松竹梅の3つがあるのは
この点からいって合理的といえますね。

9.選択肢をむやみに増やさない。

選択肢はたくさんあるほうが
いいと思いますよね。

でも、購買行動においては、
選択肢が多すぎると
消費者が購入するモノは
減る可能性があるそうです。

コロンビア大学が、
高級食料品店で
グルメジャム6種類、
又は24種類から
選択を迫られた場合の消費者行動を
比較する研究を行いました。

選択肢が多い方が、
立ち止まって商品を
チェックする顧客も
確かに多くなりました。
(選択肢が多い方が
60%の人がチェックするのに対し、
少ない方は40%)

では、実際に買った人は
どのくらいの割合だったでしょうか?

少ない方の選択肢の場合、
顧客の30%が購入しました。

では、多い方はどうだったか?

わずか3%だったそうです。
選択肢が少ない方が、
多い場合よりも
10倍売れたいうことです。

選択を行うと脳が疲労し、
その後の意思決定が実際に困難になる
というもわかっています。

私がお手伝いさせていただいた
ベンチャーの社長も
こんなことを言っていました。

「朝、着替えるときに、スーツや
シャツを選ぶことに頭を使うと、
仕事で使える判断の数が減るので
同じものをたくさん買っている」と。

すごいけどマネできないな
と思いました(笑)

そのベンチャーはAIなどを
開発していたので、
社長は脳の特性を熟知して
実践していたのですね。

断捨離をしたり、
シンプルにするのが良いのは、
「余計なことの選択に
脳の力をとられないようにする」
という脳科学の視点からも
重要だと思います。

3回に分けて脳科学からみた
値段の話を見てきましたが
いかがでしたか?

少しでもお役に立てれば
嬉しいです。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

(参考図書)
脳科学マーケティング100の
心理技術
ロジャー・ドゥーリ―著

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