禅宗に、十牛図という話
があります。
悟りに至る人間の巡礼の物語を
十枚の絵にしたものです。
私はこの話が好きなので、
ご紹介したいと思います。
十牛図は、もともと道家に
伝わるもので、元々は八つの図
だったそうです。
これを中国の禅のマスターである廓庵が
二つ加えて十にしたとのことです。
図も一緒にご紹介したいのですが、
貼ることができないため、
ご興味があれば書籍やネットなどで
ご覧ください。
1枚目から私なりに解説すると。。。
1.牛の探索(尋牛)
草原に牛を見つけに行く。
でも、なかなか見つからない。
もうへとへとだ。
2.足跡を見つける(足跡)
川べりの木の下に足跡を見つけた。
やった!きっと近くにいるに違いない。
3.牛を認める(見牛)
やっと見つけた。
よし捕まえてやる!
4.牛を捕まえる(得牛)
大苦闘の末、牛を捕まえた!
でも暴れて大変だ。
5.牛を手なずける(牧牛)
鞭と手綱で、牛をなんとか
手なずけよう。
6.牛に乗って我が家に帰る
(騎牛帰牛)
奮闘は終わった。
意気揚々と家にかえろう。
7.牛の超越(忘牛存人)
わが家にたどり着き、
穏やかな気分だ。
鞭も手綱も捨ててしまった。
8.牛と自己両方の超越(人牛俱忘)
(絵は、何もない円)
鞭も、手綱も、自分も、
牛もすべてが無の中に
溶けあっている。
心は限りなくクリアーだ。
9.根源への帰還(返本還源)
根源に還るために、
随分と遠回りをしたものだ。
はじめから目も耳もきかなかった
ほうがよかったのに!
10.世間にて(入塵垂手)
足は裸足で、胸ははだけ、
私は世間の人々と交わる。
いまや、私の目の前で
樹々は息を吹き返す。
牛はメタファーに過ぎないのですが、
捕まえようと必死になっている姿は
何か思い当たりますよね。
説明が簡潔すぎてなんのこっちゃ?
かもしれませんが、
これで本一冊を書けてしまうほどの
奥の深いものです。
実際に、たくさん出版されていますが、
この話ほど書く人の人生観が
もろに出るものはないと思います。
私も晩年にこれをテーマに
一冊書けるようになっていたら
いいな(笑)
あなたはこの話に何か感じましたか?
最後までお読みいただき
ありがとうございます。