あなたは、臨済宗の僧、
白隠(はくいん)禅師を
ご存じですか?
絵や書など、
素晴らしい多くの作品を残し、
500年にひとりの名僧
と称えられる大人物です。
ジョン・レノンや
ピーター・ドラッカーも
彼の禅画のファンでした。
今回は、「心について」
禅師のエピソードを
紹介したいと思います。
ある日、白隠のもとに仏教の教えに
疑問を持つ武士がやってきました。
そして、白隠にこう尋ねます。
「私には、地獄も極楽もどこにあるのか
さっぱりわからない。
ぜひとも、教えてもらいたいのだが」
すると、白隠はこう返します。
「なるほど、そうですか。
では、お聞きしますが、
あなたは何者ですか?」
武士は疑問に思いながら
「拙者は武士だが。。。」と答えます。
それを聴くや否や白隠は突然、
武士に食ってかかります。
「あなたは、
本当にそれでも武士ですか。
武士は武士らしくしていればいいのに、
何を迷って地獄だとか極楽だとかを
探し回っているのですか。
そんなことをたずねるということは、
おそらく腰抜け武士なんでしょうな」
この言葉を聞いた武士はカッとなり、
「腰抜け武士とは何事か」と、
刀を抜き、白隠に切りかかろうと
追いかけました。
そして追いつかれたその瞬間、
白隠はすかさず大声で一喝します。
「それ、そこが地獄だ。
地獄はそこじゃ!」
その声の大きさに、はっとなった武士は
動けなくなりました。
そしてしばらくすると、
刀を収めながら
「ありがとうございました」
と白隠に一礼をしました。
「よくわかりました。
拙者はまことに腰抜け武士でした。
地獄のありかがわかりました。
いっときの怒りで
身を滅ぼすところでした」
すると白隠は、
「それ、そこが極楽じゃ」と
笑いながら答えたそうです。
いかがだったでしょうか?
白隠は、地獄や極楽は
目で見えるものではなく、
自分の心の中にあるということを
教えてくれていますよね。
わたしたちは心の状態によって、
いつでも地獄に行くし、
また極楽にも行けます。
ぜひ、ご自身の心の状態を
どう保つか考えてみてください。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。