物事を大目に見ない

マインド

パーソナル・コーチングの父
と呼ばれるトマス・J・レナードは
よりよく生きるためのヒントを
教えてくれます.

彼が「物事をいっさい大目に見ない」
ようにすべきだと言っているのが
興味深かったので、ご紹介します。

嫌なことに対して
「大目に見る」というのは、
みんな多かれ少なかれ
やっていることですよね。

「波風を立てないほうがいい」

「人間は我慢しないと成長できない」

「今あるもので満足しなさい」

「大目に見る」とは
「自分にとって煩わしく、
エネルギーを搾取されることであって、
本来なくてしかるべきものを我慢すること」
と定義するとしましょう。

トマスは、
「自分の「成功の器」なるものが
あるとすると、大目に見ることで
その器に穴をあけてしまうことになる。

満ち足りた気持ちも運も、
その穴からどんどん漏れていってしまう。
果ては「自分自身」さえも
枯渇させてしまう。」と言っています。

確かに、我慢(特に理不尽な我慢)が
積み重なるとエネルギーが
失われてしまうというのは
理解していただけるのではないでしょうか。

人間は、物事を大目に見はじめると、
不快を感じないように自分の感覚を
閉じようとします。
その結果、麻痺するようになります。

卑近な例ですが、
首都圏の通勤ラッシュを
考えてみましょう。

昔、東京に勤めていた頃、
片道1時間以上かけて
通勤していた時期がありました。

混雑する路線でしたから、
良い立ち位置を陣取らないと
大変なことになりました。

私は学生のときから通っていたので、
それが当たり前だと思っていました。

でも往復すれば3時間ぐらいは
混雑した電車に乗ることになるので
帰るとぐったりでした。

終電で途中駅で電車がとまると、
そこからタクシー乗り場までダッシュです。
酔っていて、階段でコケそうになります。
それでもタクシー1時間待ちです。
待っている間に酔いがさめてしまいます。

もっと大変なご経験をされている方も
いらっしゃるかもしれませんが。。。

そんな異常な通勤ラッシュでも、
「みんなやっていることだし、仕方ない」と
大目に見ることで感覚が麻痺していました。

今は、テレワークなどで
通勤しなくても大丈夫なことに気づき始め、
麻痺から覚めている人も多いでしょう。

大目に見ることで
いろいろなコストを
払っているということです。

まず時間ですね。
毎日往復3時間なら、
自分の時間給×3時間のコストを
払っていることになります。

本を読むからそのコストは
かからないという人も
いるかもしれません。

しかし、効率は落ちるでしょう。
エネルギーの消耗もコストですよね。
それを他のことに向けたら
いろいろできたはずです。

解消できる方法としては、
例えば勤務先に自転車でいけるぐらいの
都心のど真ん中に住んでしまうとか。

当時の私は、思いつきませんでした。
麻痺をしているため、
大目にみるコストを
過少に認識していました。

都心の家賃は当然高いですから、
それと比べたら
コストは低いから仕方ないかと。
しかし、その時間やエネルギーを
有意義なことに使えば、
自分の時間給も上げられることも
考えようとしませんでした。

つまり、大目にみることで
「新しいことをせずに
現状でいられる」という利益も
得ているということです。

私の場合は、
アメリカや北海道に住んで、
麻痺から覚めました。
仕事よりも住む場所に対する
自分の相対的な価値が
とても高いことが分かりました。

気に入らない場所に住むコストが
とても高かったということです。

ですので、転職先も決めずに
北海道に移住することを
先に決めてしまいました。

住む場所について
「大目に見ること」をやめたことで、
幸せ度は確実に上がりました。

結果として、仕事面での
満足度も上がったのですが。

いかがでしょうか。
あなたが「大目に見ていること」は
ないでしょうか。

ぜひ、そこから目を背けずに
注意を向けてみてください。
大小問わず30個上げてみるのも
良いかもしれません。

そして、
そのコストと
大目にみることであなたが
得ている利益について
考えてみましょう。

大目に見ていることを
完全に無くせなくても
許容できる目安や基準を
作っておけば気が楽になります。

そして、推し進めたときに
出てくる変化に対して
対処方法も考えておいた方が
よいでしょう。

例えば
価値観が合わないクライアントの仕事を
やめれば、売り上げは減るでしょう。
しかし、その代わりに
価値観が合うクライアントを
見つけておけば対処できます。

人生の基盤を新しく構築し直さないと
ならない状況になるかもしれません。
しかし、そうすることでより
幸せに近づいていけるのだと思います。

「そんな我儘は許されない」
なんて声がどこからか聞こえてきたら
それはどこから聞こえてくるのか
耳を澄ませてみてくださいね。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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