『売上げを減らそう。』

マーケティング

表記のタイトル
『売上を増やそう。』の間違い?
と思われた方もいるかもしれません。
間違いではありません(笑)
こんな衝撃的な
タイトルの書籍があったので
思わず読んでしまいました。

著者は京都の小さな定食屋「佰食屋」
(ひゃくしょくや)を経営する
中村朱美さん。

この定食屋は、
現在3店舗あるそうですが
1日100食しか作らないそうです。
メニューも3種類。
むちゃくちゃシンプルですね。

このお店が画期的なのは、
経営手法と働き方の面です。

経営手法の面から言えば、
通常、飲食サービス業は
長時間勤務で給与水準も
それほど高くない業界です。
そのため、採用なども
大変だと聞きます。

そんな業界の常識を覆して
社員が定時に帰れる会社に
するにはどうするか考えた結果
・・・

1日100食限定にしたそうです。

そして、お店の原価率は約50%。
つまり、1,000円のステーキ丼であれば、
原材料の仕入値段は、500円ということ。

飲食業の通常の原価率は、30~40%です。
これよりも原価率が高いということは、
価格が安いことを意味します。
通常のお店であれば、1,500円から2,000円の
値付けをするでしょう。

このお店は上質な食材を無駄なく
使うような工夫を重ね
驚異的なコスパを実現しました。
とくに関西の方はコスパに弱いという
ところも狙っているようですね。

もう一つは、働き方のイノベーション。
このお店では、良い人材をお金をかけて
採用するようなことはしません。
なんせ、メニューが3種類しかないので
仕事がシンプルなのでスキルを必要と
しないのです。

その結果、一般的な就活ではうまく
就職できない人、例えば障害者、
留学生、高齢者なども活躍しています。
定時をきっちり働いて、家に帰って
家族と晩御飯を食べるという
平凡な働き方を実現しているそうです。

このようなイノベーションが
実現したのは、
社長が自分たちにとって
「理想の会社とは何か?」
を追求してきたからだと思います。

売上至上主義を捨てて、
マイノリティな従業員でも
長く勤められる会社にしたい
という思いで、
試行錯誤したからこそ
できたのでしょう。

私は、
売上を増やすのも、減らすのも
どちらを目指しても良いと思います。
でも、それを目指す「理由」というか
「哲学」が必要だと思います。
それは、「経営理念」や「クレド」とも
言われます。

もし、あなたが、
なんとなく売上を増やすことを
目指してきたのであれば、
立ち止まって考えてみてください。

「なぜあなたはその売り上げを
目指すのですか?」

「それによって何を得ようと
していますか?」

ちなみに、
80対20の法則で有名な
リチャード・コッチは、
イノベーションを起こすには
「ビジネスと市場を“シンプル化”」
することだと説いています。

このお店で使われている
数量限定、値段統一、メニュー限定、
地域限定といった戦略は、
意図していないかもしれませんが、
この原則に沿ったものであることを
付け加えておきます。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました