危うさはらむ史上最大のIPO

お金・財務

最近は、LINEとヤフーの
経営統合の話で持ち切りですが、
個人的に興味があるニュースが
あったので取り上げます。

サウジアラムコという
サウジアラビアで石油を産出している
国営企業が株式の一部(1.5%)を
国内市場に上場(IPO)させる
というニュースです。

この上場は、アリババの調達金額を
抜いて史上最大(約2兆7,000億円)に
なると言われています。

なぜ、この話が面白いのか?

それは、この話で、
そもそも企業価値とは?
それを市場に切り売りする上場とは?
ということを考えさせられるからです。

同社の企業価値の総額は、
180兆円程度になりそうですが、
皇太子は、220兆円はある!と
主張していました。

この差は何から生まれるかというと、
企業価値の計算要素の見方の違いです。

簡単に言えば、企業価値というのは、
その企業が将来生み出すお金(利益)を
合計したものです。
(中小企業の場合は、企業が保有する
資産価値の方が重視されますが)

皇太子の主張は、同社の利益は、
アップルの2倍だから、
アップルの時価総額(110兆円)
の2倍が妥当だというものです。

ここで問題になるのは、
「その利益が将来も続くのか?」
という不確実性の問題です。

原油を取り巻く情勢は不確実性に
満ちています。
地球環境改善のための代替エネルギー
への転換、国営企業であること、
中東の政治情勢、テロ攻撃などの
リスクが盛りだくさんです。

こういった情勢変化によって、
利益が激減したり、企業自体が
なくなる可能性もあります。

アップルについても不確実性は
あるでしょうが、
同社よりもまだましでしょう。

そんなことで、
不確実性を価値に反映させて
180兆円で落ち着いたのだと思います。
これも国内投資家向けの数字ですから、
海外での上場をする場合には評価が
さらに下がる可能性もあると思います。

結局のところ、
上場される株式の価値というのは、
このように投資家の将来の期待と
見込みがつまったものなのです。
そしてそこには危うさがあります。

そして、その見込みが誤ったときには、
ちょうど、ババ抜きゲームのように、
最後ババを引いた人がその代償を払うのです。

資本主義のゲームを垣間見るニュースでした。

あなたなら投資しますか?

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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