自己実現のための教訓(その3)

マインド

前2回に引き続き、
アメリカの臨床心理学者
カール・ロジャーズ博士の
「私が学んできた大切な教訓」
を見ていきたいと思います。

(「 」で括った箇所は、
引用になります)

(教訓その4)
「私は、自分や他者の
うちなるリアリティに
開かれていればいるほど、
急いで物事を処理しようと
しなくなるようである。」

???
また難解な教訓が
出てきました(笑)

自分が他人にオープンな度合いと
物事を処理するスピードに
関連性があるというのは
どういうことでしょう???

彼はつづけます。
「自分自身と自分の内側で
進行中の体験過程(experiencing)に
耳を傾けようとし、
他の人にも同じ傾聴の態度で
接すればするほど、
生命の複雑なプロセスに
対して敬意を感じるようになります。

すると私は、
物事を急いで処理しようとしたり、
目標を立てたり、人を型にはめたり、
私が望む方向に操作したり動かそうと
したりを、ますますしなくなりました。

私はただ、自分が自分であり、
ある人がその人自身であることに
より満足するようになったのです。

これが聞きなれない、
東洋的な考え方に近いものと
思われることはよくわかっています。」

彼は、“あるがまま”を認めるのを
仏教や禅の考え方に近いと
認識しています。

でも、こうしてみてくると、
“あるがまま”でいいのなら、
何もしなくていいのでしょうか?

つまり、
他の人のために何かを
しようとしないのならば、
人生は何のためにあるのか?

自分たちと同じように考え、
感じさせようとしないなのなら、
人生は何のためにあるのか?
という疑問が湧いてきますよね。

彼は、これに対してこう答えます。
「私の経験は逆説的です。
この複雑な人生において
私がただ私であろうとすればするほど、
自分と他者のうちなるリアリティを
理解し受け容れようとすればするほど、
変化が生じるようなのです。

私たち一人ひとりが自分自身で
あろうとする程度に応じて、
自分が変化していくだけでなく、
自分がかかわっている
他の人もまた変化していくことに
気づくでしょう。

少なくともこれは私の経験の
とても鮮明な部分です。
私生活と職業生活を通じて
学んだ最も深い教訓の一つで
あると思います。」

理屈ではなく、
彼が体験を通じて得たことなのですね。

無理矢理に急いで
変えようとするよりも、
我々それぞれが自分自身で
あろうとし、
他人を深く理解すれば、
必要な変化が自然と
起きていくということだと
私は理解しました。

彼の教訓は、東洋人である
我々にしっくりくるものなのでは
ないでしょうか。

今回のシリーズでは、
彼のことばを
引用しているので、
読みづらいかもしれません。

でも、彼の生の言葉に
触れていただきたいのです。
私にとっては、写経のようで、
とても楽しい作業という
こともあるのですが(笑)

あと数回お付き合いくださいね。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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