あなたが現在勤めている会社で
活躍をしている場合、
独立起業をしたいと会社に言うと、
社内起業を勧められる場合も
あるかもしれません。
先日、食品製造業で独立を
迷っている方の相談に乗りました。
大企業の一部門を任されているその方は、
長年実績を上げてきたが、
やはり自分の思うブランドを立ち上げたい
と思い上司である役員に相談したそうです。
役員からは、
「そうであれば、会社の傘下に子会社を
作ってあげるから、そこで自由にやったらよい。
設備資金も貸す」という話をされたそうです。
確かによい話ですよね。
彼からしたら初期投資はかからないし、
会社の後ろ盾があるので何かあったら
助けてくれると考えていました。
ここからは私の私見ですが、
こんなうまい話しには次の裏があります。
・自由にやってよいという話は
ずっと続く保証はない。
大企業であれば特にですが、
会社は一人の意思で動いているわけでは
ありません。
また環境に左右されるので
いつその方針が転換されるかは
予測ができません。
・親会社もビジネスでやっている以上は、
投資を回収しなければならない。
投資をしてもらう場合は、そのお金を
なんらかの形で返すような契約がなされる
はずです。
たとえば、ロイヤリティの支払いなど。
子会社が成功した場合に、自分のものに
しようとしても株価が高くなっていて
買い取りは難しいでしょう。
・不自由がない環境で、
ブレイクスルーできる人は極めて少ない
たしかに、創業時からヒト・モノ・カネが
ある状態は、理想的な状態かもしれません。
そこそこの実績は作れるかもしれません。
しかし、今までの枠を超えた製品やサービスを
作りだすことは難しいと思うのです。
「火事場のクソ力」ではないですが、
不自由で危機的な環境におかれたからこそ
ブレイクスルー出来た経営者の方が
圧倒的に多いと思います。
結局のところ、「仕事」も「生き方」も
「リスクとリターンは比例する」
と思います。
リスクは少なくて、
リターンだけ大きいという
虫の良い話はないのです。
リスク覚悟でもリターンを取りにいくこと
こそが起業の本質だと思うし、
その覚悟が隠されていた力を
引き出すのだと思います。
だからこそ、リターンが味わい深いものに
なるのだろうと思います。
すべての人に独立起業を勧めるわけではなく、
人生に求めるリスクとリターンの程度は
自分で決めていいと思います。
リスクだと信じていたことは、
実は思い込みだったりすることも
多いのですが。
相談者が優秀な方だと感じた私は
こう言いました。
「確かに、親会社の元でスタートすれば、
ゼロから起業するよりも早い段階で
いろいろなことができるでしょう。
でも自由には制約があります。
あなたは新会社でも親会社が許す範囲では
実績を残すと思います。
でもそうした後に、きっと同じ悩みに
突き当たるでしょう。
どちらの道を行きたいかは、
あなたが仕事を通して
未来に何を得たいかであり、
人生をどう生きたいのかと
同じことです。」
あなたはどう感じられましたか?
最後までお読みいただき
ありがとうございます。