離見の見とは?

その他

私の母は、昔、
日本舞踊をやっていました。
それを生業にしている親戚もいて、
子供の頃に見につれて行かれた
記憶があります。

退屈な記憶しかありませんが、
芸を極めることは大変そうだな
と思ったものです。

日本の伝統芸能の一つである
能の大成者である世阿弥の書いた
『風姿花伝』や『花鏡』は、
ビジネス論として読む経営者が
いることを知り、読んでみました。

ところで、能は日本の神話とも
かかわりがあるのですね。

能の始まりは、
猿楽(さるがく)という物まね芸なのですが、
神話の世界では、天照大神が天の岩戸に
閉じこもってしまったときに、
気を惹くために踊ったのが始まりとのこと。
お釈迦様とも関連があるとも書かれています。

さて、
世阿弥の言葉で
「離見の見」(りけんのけん)
という言葉があります。

見所(観客席)から見る自分の姿を
常に意識しなさいという意味です。

これに対して、
自分の目から見るのは我見と言います。

我見ではなく、離見で見たときに
初めて、本当の自分の姿を見極めることが
できるということですね。

世阿弥の時代は、
複数の役者が同じ舞台で芸を披露し、
勝負を競った時代だったようです。

その中で、
男時(おどき):自分に勢いがあるとき
女時(めどき):相手に勢いがあること
とし、

女時のときには我慢して、
男時のときに得意な芸を披露し、
観客を驚かせて一気に勝ちに行くのが良い
とも説いています。

こういったことは、
我々のいろいろな場面にも
通じるのではないでしょうか。
ちなみに、
「秘すれば花」という言葉は
この書から来ているのです。

こうしたことが
600年前に書かれていたことを
知ると驚きますが、
真理は、
芸の世界であっても、
時が変わっても、
変わらないのだろうなと思います。

芸術の秋、
芸を鑑賞するのも勉強になるかも
しれませんね。

あなたはどうお感じになられましたか?

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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