5年ぐらい前に、前澤氏を
崇拝していた時期がありました。
当時は、ZOZOではなく、
スタートトゥデイという会社でした。
彼のインタビュー記事で
出ていた愛読書が
『エンデの遺言』
講談社α文庫
でした。
久しぶりに手に取ってみると
面白いことが書いてありました。
ミヒャエル・エンデは、ドイツの作家で
彼の代表作『モモ』は読んだことが
ある方もいらっしゃると思います。
児童文学書でありながら、
大人が読んでも奥の深い物語です。
エンデは、
現代における“お金の正体”について、
深く研究していた人でした。
『エンデの遺言』は、彼をはじめ、
彼が影響を受けた思想や人物について
NHKが取りまとめたもので、
お金の本質を考えさせられます。
例えば、
古代エジプトでは、我々がいま
使っているようなお金のシステムとは
別のシステムだったそうです。
それは「減価するお金」のシステムです。
当時、農民は穀物を収穫すると、
保管してもらうために、
穀物倉庫にもっていきました。
その代わりに、
納入した穀物量と引き渡し日が
焼きこまれた陶片を受け取ります。
この陶片は、
穀物の受領を証明するものですが、
同時にお金としても使われました。
これは倉庫に収められた穀物によって
担保されるお金でした。
穀物にはネズミなどによる食害や
保管費用がかかります。
したがってその担保物の減価率を
そのお金も反映させないといけません。
ですから、長く持てば持つほど減っていく、
マイナス利子がつくお金だったのです。
農業者は、このお金を貯めておいても
損ですから、別なモノの形で、
自分の豊かさを維持しようとします。
そこで自分の豊かさを灌漑施設の整備や
土地の改良に注いだそうです。
豊かさをお金の形でもたず、
自分たちに長期的な利益をもたらすものに
投資したのです。
これにより、
ナイル河流域は豊かな穀倉地帯に
なったそうです。
この繁栄はプラスの利子の付くシステムを
持つローマの支配により終わったそうです。
この話で、
プラスの利子のお金の仕組みが当たり前
だという常識が覆されると思います。
現代社会の、プラス利子は、
短期的な投資を助長し、
資本家の権力を増大させるという問題の
一因ではあるかもしれません。
地域通貨という利子がゼロの通貨が
提唱されるのはこのような背景があります。
この話を通じて、
豊かさやお金の本質を考えさせられます。
前澤氏が芸術作品を一時買い漁っていたのは
この本の影響かな?(笑)
あなたはどう感じられましたか?
最後までお読みいただき
ありがとうございます。